母校創立64周年記念 ご挨拶

会長あいさつGreeting

母校創立64周年記念 ご挨拶

 錦秋のさなか、このたび母校は創立64周年を迎えましたことにつき卒業生、ならびに同窓会を代表いたしまして、心からお祝いを申し上げます。

 このよき日に、顧みますれば卒業生の心のふるさととも言うべき学園は、創立直後に敗戦、終戦という巨大な荒波にもまれ始めました。学園創設者である岩崎清一先生の、戦後の復興には青少年の教育がまず大切であるとの崇高な志により、学園は運営されておりましたが 敗戦によるさまざまな影響により、学園の財政的基盤は著しく崩れ、経営は次第に苦しくなってまいりました。
 しかしながら、当時の校長佐々木周二先生はこのような大変厳しい状況の中、生徒を守り学園の灯を消すまいと打開策に全力を挙げ、その結果昭和27年、建学の精神そして教育の精神が一致する、國學院大學のご理解のもと合併いたしました。喜びと不安が交錯する中で行われました合併直後の卒業式は、卒業生わずか58名を数えるのみで、当時誰が今日の学園の発展ぶりを予測出来ましたでしょうか。
 しかし合併以来その効果は序々に現れ、年毎に発展の軌道に乗ってまいりました。その陰には歴代教職員、そして川福校長先生はじめ現教職員の皆様の大変なご努力とご苦労がありました。
 近年中高一貫教育が脚光を浴び、公立学校までも中高一貫校が大幅に増加して参りました昨今、他校に先駆けてその重要性を認識され、いち早く取り入れた先生方の時代認識の高さが、今日の発展につながりましたことと心より敬意を表します。またその他の先進的学習制度や 男女別学制度などと相まって成果は更に上がり、国公立や難関大学への進学率が大幅に上昇し、首都圏でも大変高い評価をいただける立派な学園に育ちましたことは、私たち卒業生にとりましても誠にうれしい限りで、教職員の皆様の日々のご苦労に対しまして、心より厚く御礼申し上げます。  また教育環境整備の一環として進めておりました、新学習センターの完成を見て、更なる学習効果が期待されるところでございます。無事の竣工をお祝い申し上げます。
 つい先日行われました久我山祭には 朝早くから進学希望者が 家族連れでご来校になり、大変な賑わいぶりでございました。同窓会では毎年、教室ひとつをお借りして、恒例の喫茶ルームを開いておりますが、今年も大勢の方々が休憩にお立ち寄りいただき、係員にこの久我山で勉強したい、勉強させたい、そして運動もやらせたい、家庭では      どういう指導をしたら良いかなどと、親子で真剣に質問している風景があちらこちらで見受けられました。この若いエネルギーが来年には多数入学していただけるものと、大変嬉しく感激いたしました。
 さて、母校のこのような発展の中で巣立ちました卒業生は、31,000人を突破いたしました。同窓会は母校と卒業生との懸け橋としての責任を更に痛感いたしております。第1回の卒業生は、目出度く喜寿を越され、次に来る傘寿を目指してご精進されています。また、母校から出た多くの卒業生は明朗剛健の気風を背負い、あらゆる社会で、そして全国津々浦々にてリーダーシップを発揮し、各界で大活躍をされ高い評価を頂いておりますことは、皆様ご承知のとおりでございます。在校生の諸君には勉強にクラブ活動に、たゆまざる努力を重ね、先輩を早く追い越し、さわやかに羽ばたいて頂きたいと思います。そして西東京に久我山ありと、三笹の校旗をへんぽんと翻していただくことを、多くの先輩諸兄は心より熱望いたしております。
 わが久我山を取り巻く環境は進む少子化とともに、私学の脱都心化により、更に厳しくなる様相を呈しておりますが、進学内容の更なる向上を図り、文武両道のもと、名実とともに私学の雄として大勢の久我山ファンの期待に沿うべく、更なる飛躍をされますことを心より願っております。

 國學院大學ならびに、わが久我山の更なる発展と、校長先生はじめ教職員皆様のご健勝、そして同窓生のいやさかを、心よりご祈念申し上げ、お祝いの言葉とさせていただきます。

平成20年10月
國學院大學久我山中学高等学校同窓会
久我山会会長 岸 輝雄
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