母校創立六十六周年式典 祝辞

会長あいさつGreeting

母校創立六十六周年式典 祝辞

 菊の香りが漂う今日の良き日に國學院大學久我山中学高等学校が創立六十六周年を迎えましたことにつき、卒業生ならびに同窓会久我山会を代表いたしまして、心よりお喜びを申し上げます。

 この良き日に、顧みますれば卒業生の心のふるさととも言うべき学園は、創設者岩崎清一先生の戦後の混乱からの日本の復興には、青少年の教育がまず大切であるという崇高な志により、学園は経営されておりましたが、敗戦による打撃は誠に大きく経営は次第に苦しくなり、系列の久我山工専、久我山大学は相次いで閉鎖となり、中学、高校も存続が心配されるほど重大な危機を迎えました。しかしながら当時の校長佐々木周二先生は岩崎清一理事長先生より学園の進路打開策の全権を一任され、厳しい中生徒を守り学園の灯を消すまいと打開策に全力を挙げ、その結果建学の精神そして教育の精神が一致する國學院大學のご理解のもと合併が行われました。

 時は昭和二十七年西暦千九百五十二年、國學院大學が創立七十周年の佳節を迎えた時で、当時の國學院大學石川理事長先生が本校にお越しになり、僅か四百名の全校生徒を前にして「二つの学園の教育の精神の一致がこの合併を成立せしめた」と合併の宣言が行われましたことを私は記憶しております。しかしながら、再建の一歩を踏み出したとはいえ喜びと期待の中にも不安は大きく、数年間は大変厳しく困難の連続でした。

 当時誰が今日の発展する学園を予測できましたでしょうか。しかし合併以来その効果は徐々に現れ、年毎に発展の軌道に乗ってまいりました。その影には、歴代校長先生ならびに教職員の皆様の大変な筆舌に尽くしがたいご苦労がありました。昨今は当たり前のようになりました中高一貫教育という言葉がまだ巷になじまない頃より、その重要性を認識され、他校に先駆けいち早く取り入れた先生方の時代先取の精神が、今日の発展に繋がりましたことと心より敬意を表します。

 又その他の先進的学習制度や男女別学制度の採用などとあいまって成果は更に上がり、国公立や難関大学又は医学系大学への進学率が大幅に上がり、教育界はもとより各方面から大変高い評価を頂ける立派な学園に発展いたしましたことは、私たち卒業生に取りましても誠に嬉しい限りで、教職員の皆様の日々のご苦労にたいしまして心より厚く御礼申し上げます。

 このように発展の中で 同窓会久我山会は昭和二十五年に第一回卒業生が創設して以来、今年で六十周年を迎えました。長い間同窓会にご理解とご配慮を賜りました歴代校長先生始めご担当の事務長先生ならびに関係教職員の皆様、そして運営に携わってくださいました歴代同窓会長並びに役員各位に心より感謝を申し上げる次第でございます。
 この間巣立ちました卒業生は参萬弐千人の多くを数えるようになり、第一回の卒業生はまもなく傘寿のおめでたい節目を迎えようとしています。多くの方々は大変お元気で、卒業以来六拾猶予年経ちました今日でも、母校に対する思い入れは誠に大きく、力強い厚いご支援を続けてくださっています。 又母校を巣立ちました卒業生は、明朗剛健の気風を背負い、あらゆる社会でそして全国津々浦々にてリーダーシップ発揮し、大活躍されその世界でトップクラスの指導者となられておる方も数多く、高い評価を頂いておりますことは皆様ご承知のとおりでございます。

 また在校生の皆様にとりましては、久我山での生活は単なる人生の通過点ではなく、最も大切な時期であることを良くご認識いただき、良き友達と共に勉強に励み、クラブ活動に汗を流し、先輩に追いつき追い越し大きく羽ばたいてください。そして西東京に久我山ありと、三笹の校旗をへんぽんと翻して頂くことを先輩諸兄は熱望しています。

 わが久我山を取り巻く環境は、相変わらずの少子化と共に教育環境の変化に伴い大変厳しいものがありますが、教学内容の更なる向上を図り文武両道の旗の元、名実ともに私学の雄として更なる飛躍されますことを心より願っております。

 國學院大學、ならびにわが久我山の更なる発展と、校長先生始め教職員皆様のご健勝と、生徒諸君のご健闘を心よりご祈念申し上げ、本日のお祝いの言葉とさせて頂きます。

平成22年10月19日
國學院大學久我山中学高等学校同窓会
久我山会会長 岸 輝雄
↑