『私学の歳月』抄録新版の発刊に寄せて 巨星墜つ

会長あいさつGreeting

『私学の歳月』抄録新版の発刊に寄せて巨星墜つ

 佐々木周二先生が亡くなられて半年が過ぎようとしています。センバツ甲子園の余韻覚めやらぬなか、久我山会では五月の代議員会に向けて準備を重ねている最中の突然の訃報で、まさに巨星墜つの感でした。先生の白寿のお祝いも目前で、痛恨の極みの一語でした。
 同窓会は、第一期生の卒業時先生の肝いりで結成され、以後戦後の学園の経営的危機に際しても、先生の同窓会への物心両面の援助のお陰で今日の存続があります。戦後間もなくは、自ら教壇に立たれて英語を教えられたり、文武両道をモットーに、勝利のときは生徒と一緒になって飛び上がって喜び、ご馳走してくださったり、卒業生が就職の相談に伺うと、母校に勤めなさいと言って面倒をみてくださったりと、この様な話は枚挙に遑がありません。
 葬儀等が終わった後も、卒業生の先生への惜別の念は止まず、特に草創期の卒業生から「同窓生が気軽に足を運び、先生のご遺徳を偲び、思い出を語る集いが欲しい」との強い要望があり、久我山会で偲ぶ会を開催する運びともなった次第です。その際、先生の著書である『私学の歳月』の中より卒業生向けの作品を選び、改訂新版として参会の皆さんにお渡しすることとなりました。本書には先生の含蓄あるお言葉の数々が収録されており、同窓生の座右の書に加えて頂ければと思っております。
 大変なご苦労を重ね、今日、卒業生が誇れる高い評価の学園に育ててくださいました先生の在りし日を偲び、母校の発展に少しでもお力添えができる同窓会であり続けるようお誓いいたします。
 学園を創り、育て、生涯愛した、佐々木周二先生、ありがとうございました。

(平成23年10月「佐々木周二先生を偲ぶ会」にあたり出版した『私学の歳月』抄録新版まえがきより転載)
國學院大學久我山中学高等学校同窓会
久我山会会長 岸 輝雄
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