学校長挨拶Greeting
平成23年新年挨拶母校の新たな躍進に向けて
久我山会の皆様には、ご家族お揃いで穏やかな初春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
また結成60周年の節目を越え、新たな躍進の年を迎られたこと重ねてお祝い申し上げます。
昨年の日本を取り巻く情勢は、経済不況に始まり、人として考えられない犯罪の多発など混乱と喧騒の中にあり、学園にたずさわる教職員・在校生・卒業生は岩崎精一先生の学園三箴に求めた「心の力」、「心の教育」を熟慮・実践しなければならない時代になりました。
この世情の中で母校の現状を報告致します。学園の昨年は、学習面の充実と共に生徒会活動・部活動共に輝かしい成果を刻みました。
学習面では、大学進学実績が各方面より高い評価を得ると共に、更なる発展を考えまして「STクラス」(特進学級)を設けて生徒間の切磋琢磨する「学習の牽引役」と位置付けました。
また学習環境の充実は、創立60・65周年の記念行事の一環として、高校グラウンドの人工芝化と共に、旧図書館跡地にカフェテリア・図書館・自習室・CL教室等の三層の「学習センター」を建て、本校の目指す方向を表現しました。
更に四季を彩るケヤキ並木に象徴される通学路を改修して、インターロッキング化しました。
通学路のデザインは、前島隆宇先生(本校元教諭・近代美術協会代表)に依頼しまして、本館建設時の佐々木周二先生の「青年への熱い思い」を具象化した中央昇降口左右の壁画、「飛翔と叡智」につながる宇宙への飛躍する「天景」をテーマに多色ブロックで製作されています。
正門ヒマラヤ杉前の「胎動の世界」から始まり、直線通学路の「初心」、中央空間の銀河星雲と月・星座の中に形成された「開花」と「躍進」を経て、理科会館前の半円形デザインは宇宙への旅立ち「大成」へと繋がりました。母校久我山生の青春期と大なる躍進を描き、「学びの道」と名付けて関連事業を完結しました。是非、新校舎と共にご覧いただきたいと存じます。
一方、生徒活動も注目の一年でありました。生徒会では、昨年度のインフルエンザによる中止の思いを払拭するかのような来場者多数の久我山祭の成功、文化部では高校2年二宮歌穂さんの全国高校囲碁選手権大会への出場、音楽では高校3年桜井愛子さんの全日本学生音楽コンクール・東京大会(高校の部)声楽部門での準優勝などの快挙をあげることが出来ます。
運動部では、陸上・バスケット・弓道部のインターハイ・国体後の二学期後半の活躍は目覚しく、サッカー部・陸上競技部駅伝は優位を伝えられながら、残念にも都立駒場高校に1対0負・東京実業高校に6秒差で準優勝となりました。バスケット部はインターハイ出場の実力を発揮して、順調に勝ち進み東京体育館のウインターカップの出場権を得ました。
ラグビー部は、都第三シードとして出場し、春季大会に大敗している東京高校を31対14で破り、花園20年連続出場の偉業を達成しました。
また野球部は秋季大会で決勝戦に駒を進め、日大第三高校と押し気味に試合を進めながら力及ばず、4対0で敗退し、26年振りの甲子園への夢が絶たれました。しかし、日大三高が関東有力校を集めた神宮大会で優勝となり、東京枠二校に選抜される可能性が高くなりました。
このように他に真似することの出来ない輝かしい成果は、毎試合毎に応援に駆けつけて下さった先輩達の声援の賜ものであります。
また日頃より在校生に「君達の望む成果は必ずや達成することができる。何故ならば先輩達が涙と汗で切り開いてくれた道標と後姿を辿ればよい」と言い続けています。その「先輩達の伝統を守る」の合言葉への努力の結果でもあります。
平成22年11月21日の生徒会が選んだ久我山祭のテーマは「結=ユイ」でした。「結」とは、古代日本人が共同体社会の精神的根源にすえた「産霊=むすび」であります。
今まさに「心の力」こそ、現役生と先輩を結び付ける絆であり、共存共生の心、互いへの「思いやり」・「感謝する心」こそ、現在の日本に欠けたものであり、久我山から発信する「日本心」であろうと思います。
最後に佐々木周二先生が99歳の白寿を迎えられ、お元気で居られますことをお伝えしまと共に、会員皆様方のご健勝をお祈り申し上げ、更なるご支援を賜りますようお願いして挨拶と致します。