学校長挨拶Greeting
令和6年新年挨拶令和6年の年頭にあたり
同窓会久我山会の皆様、あけましておめでとうございます。ご家族の皆様とともに,穏やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。新型コロナウイルス感染症も5類感染症に位置付けられ、学校生活もコロナ禍前に近づいてきましたが、生徒の中にはまだまだマスクを外せない生徒もいます。
2学期が始まり、3班体制での8月下旬からの中学2年生の自然体験教室(赤城山・奥白根登山、尾瀬ケ原ハイキング)が行われ、無事終了しました。しかし、多くのものが緩和された夏休みを経て、学内でも新型コロナウイルス感染の拡がりが顕著になってきました。そうこうしているうちの、今度は季節外れのインフルエンザの流行です。今年の冬の流行に備えて10月にも予防接種を行うべく、教職員に加え、高等学校3年生にも範囲を広げて希望を取ろうと、要綱を配信した矢先、校内での大流行が起きてしまいました。他の学校も例外ではなく、学級閉鎖を余儀なくされています。本校は、学級閉鎖でも学びを止めることをせず、オンライン授業に切り替えることで乗り切りました。勿論、インフルエンザに感染している生徒は出校停止扱いになるのですが、健常な生徒については、オンライン授業への参加をもって出席扱いとしています。通常、クラス内に1、2名の感染者が出て、出校停止になりましても、その生徒に合わせて授業進度を遅らせることはしません。それらも考慮しての措置です。現在までで、延べ5クラスをオンライン授業に切り替えました。その影響で中学体育祭を11月上旬に延期するに至りました。
ところで、このインフルエンザ禍で困ったのは、教職員の感染です。私が久我山に奉職して以来、これだけ多くの先生方が感染したのは初めてのことです。実に同時期に15名の教職員が罹患しました。「多くの教職員が罹患したので、休校にいたします」とはいきません。罹患されてない先生方の頑張りで、何とか乗り切ることが出来ました。先生方には、感謝、感謝です。
さらにインフルエンザ禍は続きます。今、この原稿を書いている時点での悩みは、10月下旬に予定されている久我山祭を当初の予定通り、一般公開するかどうかです。9月から10月上旬に文化祭を行った学校の多くで、実施後の新型コロナウイルスかインフルエンザの感染拡大による学級閉鎖が起こっているとのこと。オンライン授業に切り替えていながら、部活動は通常通り実施は、本校の教育の方針にそぐわないものです。11月上旬に、高等学校の冬の全国大会を掛けた大切な試合を控えている幾つかの部会があるだけに悩ましいところです。
さて、海外からの旅行者の多さを見ると、世の中はほぼ以前のような日常に戻ってきているようです。蕉風俳諧の世界で不易流行という言葉がありますが、コロナ禍以前に戻るだけではなく、新しい方向性を探る動きもあります。女子部においてはCCクラスの募集に合わせて、希望制による語学研修を含めた修学旅行の選択が可能になっています。「日本文化探究コース」「日本文化発信コース」の2つのコース立てになっています。これを男子部にもという新たな取り組みがスタートします。令和7年度の高等学校の修学旅行から、これまでの九州方面の修学旅行に加えて、オーストラリアでのファームステイと地元校生徒との交流をメインとしたプログラムを導入します。
これからも久我山は、学習と部活動について「文武一徳」という理念に因って、指導に当たってまいります。心と身体を鍛え、主体的な自立を果たせるようにと願う気持ちは、変わることのない大きな目標です。
学校という組織にとって「変化」はなかなか受け入れがたいものです。そのことを認識しつつ、社会の変化に柔軟に対応できるように、日々研鑽に努めることが、私たち教職員に課せられた課題です。今後とも卒業生諸氏のご助言、ご鞭撻をお願いいたします。